【民主党】千葉落選始末記
諺に言う「蟻の穴」、ならぬ法相落選で…
落選法相、打算で留任 「有権者を愚弄」批判に「適任者」強弁
(2010年7月15日(木)8時0分配信 産経新聞)
「参院選落選」という、これ以上ない民意を突きつけられながら、千葉景子法相(神奈川選挙区)が閣僚にとどまることに対し、党内外から批判が高まっている。千葉氏は菅直人首相に辞意を伝えたが、首相が強く慰留した。背景には千葉氏が辞任すれば、党内から内閣改造や党執行部の責任を問う声が激しくなりかねないことを懸念した「政局的打算」がうかがえる。(杉本康士)
「絶対理解されるはずがない。千葉氏は大臣として戦って負けた。国民感情にもとる。神奈川県民を愚弄(ぐろう)していることにもなる」
産経新聞の取材にこう憤るのは民主党の長尾敬衆院議員(大阪14区)。長尾氏のもとには支援者らから、今回の菅政権の方針に抗議の電話が相次いでいるという。
当然ながら自民党などの野党は「千葉氏は国民の審判を受けて落選した。法相としての存在意義をすでに失っている」(自民党首脳)と、批判のボルテージを上げる。
首相は13日夜、記者団に「大臣は議員である人が多いが、議員でなくても適任者であればなれる。千葉氏は法曹出身でもあり適任者だ」と、千葉氏の続投は問題ないとの認識を強調。社民党の福島瑞穂党首も14日の記者会見で、「(選択的夫婦別姓を可能にする)民法改正と捜査の可視化を全力で実現していただきたい」と述べた。
もっとも、首相は「そう遠くない時期に(民主党)代表選もある」として、千葉氏の任期は9月5日実施で調整されている代表選後の内閣改造までとの見通しを示している。となれば、千葉氏の在任期間は1カ月以上あるというわけだ。
しかし、落選した閣僚が1カ月以上内閣にとどまるケースは過去に例がない。記録が残る昭和23年以降、衆参の国政選挙で落選後も閣内に残った閣僚は15人いる。だが、残留期間は第4次吉田茂内閣の林屋亀次郎国務相の27日間が最長だ。
千葉氏は閣僚のポストにいる間、月額162万7560円の給与を受け取り続けることになる。また、法相は死刑執行の署名や検察指揮権のほか、外国人の在留・永住許可など幅広い権限を有する。千葉氏は13日の記者会見で、「議員の立場ではないからといって、それ(法相の権限)に大きく反することはしない」との考えを強調した。だが、“適格性”を疑問視する声は収まりそうもない。
参院選落選の千葉法相の続投決定、神奈川県関係議員からは同情と批判
(2010年7月15日(木)9時50分配信 神奈川新聞)
参院選で落選した千葉景子法相の当面の続投が決まった。人事による混乱を回避したい菅直人首相が、辞職の意思を示す千葉氏を慰留した形であり、民主党議員からは「総理の意思が千葉氏の辞意を上回った」と同情論も。一方、野党議員は「信じ難い事態」などと批判を強めている。
千葉氏は、議員の任期イコール閣僚としての区切りとして辞職を考えていたが、13日に菅首相に留任を要請され翻意した。千葉氏選対本部長を務めた民主党衆院議員の斎藤勁氏(比例南関東)は、「続投の是非について議論はあるが、プラス面マイナス面を含めて全体的に総理が判断したのだろう」と話す。
首藤信彦氏(7区)は、菅首相が9月に内閣改造を行う意向であることから「首相は意図した布陣でやりたいはず。今ごたごたするより、枝野幹事長も千葉氏もそのままにしておくということだ」と分析。「期限付きの続投であり問題ない」と説明する。
一方、自民党の松本純元官房副長官(比例南関東)は、「国民の理解は得られない。信じ難い事態」と評した。「大臣としての姿勢に不信任を突きつけられたのだから職を辞すのが筋。『直近の民意に従え』と政府与党を責め立てていたのは野党時代の菅首相であり一貫性を欠く」と断じた。
参院法務委員長として法相と接してきた公明党の松あきら副代表(神奈川選挙区)は「弱者の側に立てる千葉氏の落選は個人的にはショックだったが、続投にはもっと驚いた」と疑問を示す。さらに「法相が辞めれば幹事長も、首相もとドミノ倒しになる。それを恐れての慰留だ」と指摘した。
みんなの党の江田憲司幹事長(衆院8区)も「そういう判断の影響は、いずれ菅首相ご本人に返ってくる」と党内事情を優先する姿勢を批判した。
就任以来死刑執行ゼロ 千葉法相は「不適任」任命責任追及へ
(2010年7月15日(木)17時0分配信 夕刊フジ)
菅直人首相(63)が、参院選で落選した千葉景子法相(62)を「適任者」として留任させた。しかし、千葉氏は落選したばかりか、就任以来、大臣の仕事として法に定められている死刑執行命令を下していない。野党からは「違法状態の放置だ」として、千葉氏の適格性や菅首相の任命責任を問う声が出ており、国会でも追及する構えだ。
刑事訴訟法によれば、法相は死刑判決確定後6カ月以内に執行命令を下さなければならない。しかし、千葉氏は昨年9月に鳩山内閣で法相に就任して以来、一度も死刑執行命令にサインしていない。
そもそも、千葉氏は人権派弁護士から政治家に転身。大臣就任までは超党派議員による「死刑廃止を推進する議員連盟」(亀井静香会長)のメンバーで、死刑反対論者だ。就任後にも、「これだけ議論があり、人の命を奪う刑罰なので慎重に対処したい」と話し、議論を呼んでいた。
しかし一方では、13日現在で未執行の死刑確定囚は109人おり、財政や収監スペースを圧迫しているのも事実。産経新聞の世論調査では、「死刑制度は必要」が94%、「法相は速やかに死刑執行命令を下すべき」が88%だった。
鳩山邦夫元法相(61)は夕刊フジの取材に対し、「職務怠慢などという軽いものではなくて、違法状態の放置だ。法治国家の法務大臣としてありえない。憲法に照らし合わせても不適格だ。任命責任? 菅さんも死刑反対なんでしょう」と話している。
内閣という「山が崩れ」ずに済むかどうか…さて?(冷笑)
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