« 【民主党】当たり屋三宅始末記 | トップページ | 【民主党】いよいよ「お縄」? »

2010年6月25日 (金)

【支那】爆食、果てなく…

あらためて、支那にはカネより…

テレビ・新聞が報じない上海万博の舞台裏
経済援助は合わせて9100億円也
一人勝ち中国にいまだ「偽装ODA」援助して欲しいのはこっちの方だ

(SAPIO 2010年6月9日号掲載) 2010年6月24日(木)配信

文=青木直人(ジャーナリスト)

 世界経済が疲弊する中、ひとりバブルを謳歌する中国。現在開催中の上海万博は、まさにその「わが世の春」と言ったところだろう。その中国に、いまだ日本が「途上国」という名目で経済援助を続けているとしたらどうだろうか。たしかODA(政府開発援助)は多くの非難にさらされ終了しているはず。いまだ中国に言われるまま垂れ流し続ける「偽装ODA」ほか経済援助の実態を明かす。

 上海万博が盛り上がりを見せている。中国国内で初めて開催される万博は、中国が30年間の市場経済を通じて、貿易額、外貨準備高ともに世界一、GDP第3位の経済大国に上り詰めたことを内外にアピールする一大イベントと位置づけられている。

 日本のテレビや新聞は、万博会場からいかに中国が繁栄し、豊かになったのか、を繰り返し報道し、スタジオのコメンテーターは、「21世紀の大国は中国だ」「日本の今後の成長には中国との協力が必要だ」と異口同音に発言する。だが彼らは肝心なことはなにも言ってはいない。

 それはすでにGDPで今年中にも日本を抜いて第2位になると見られるその中国に対して、いまも日本の経済援助が続いているという事実である。

 多くの国民は08年度を最後に日本の対中ODAは終了したと思っている。だがこれは厳密に言えば錯覚なのである。終わったのはODAの90%を占めていた円借款だけで、これ以外の無償資金協力と技術協力は今も続いている。

 そればかりではない。確かに外務省が仕切るODAは激減しているが、今度は逆に各省庁が個別に中国との交流を名目にして、それぞれ予算を獲得しているのである。これでは「偽装ODA」と言われても仕方ない。

 円借款中止で、国民の中にあるODA批判を封じ込め、その一方で目立たないように省ごとに援助予算を計上するという巧妙な手口なのだ。

 そもそもこれまでの日本の対中経済援助がどれほど膨大なものであったのか、ここで整理しておく。まずODAの総額が3兆円超、さらにODAとは別に国際協力銀行が融資する資源開発ローンという公的支援が3兆円、合計で6兆円である。この金額は世界最大であり、中国政府が海外から借りている公的資金のうち、実に30%を占める。

 そればかりか日本の円借款のほとんどはアンタイドローンといい、いわゆる”紐つき”ではない世界でも稀な融資制度なのである。たとえば建設プロジェクトなどで日本企業が必ずしも受注できないのだ。中国は日本のカネで自国企業や韓国、米国、ヨーロッパなど第三国の企業に仕事を振ることが可能なのである。

 開催中の万博に世界から押しかける観光客が使用する上海浦東国際空港や、一昨年開かれた北京五輪で空の窓口となった北京首都国際空港も建設時に日本が援助している。

 こうした日本のインフラ支援について、海外からの借款を担当する国家発展改革委員会と鉄道省は合同で、3年前、次のようなレポートを全国の地方機関に通達している。

 タイトルは『積極的かつ有効に外資を利用し、中国の鉄道建設とその発展を促進しよう』。「我が国はこの25年間鉄道建設に外国資本を利用しようと、無から有へ、小から大へと工作を行なってきた。(中略)78年の開放政策から2005年までの間に我が国の鉄道建設に利用した海外からの借款は累計で98・13億ドル、そのうち、鉄道省が利用したのが89・39億ドルだった。その内訳は日本の円借款が27・18億ドル、世界銀行が23・95億ドル、アジア開発銀行が20・8億ドル、残りが諸外国からのものである」

 実に円借款が27%強。世界銀行への日本の出資比率が2位、アジア開発銀行(ADB)へは米国と並び最大であることを考慮すれば、中国の鉄道は日本マネーで建設整備されたことが理解できる。

「環境」を名目に増える対中支援

「偽装ODA」によって対中援助が再開されていることは、たとえば、08年度以降環境省で中国の水質汚濁や大気汚染についての予算が計上されていることなどからもわかる。

 このほかにも、中国政府の日本専門家が「ODA再開の受け皿」として設立を画策している機関がある。それが「日中省エネ環境基金」である。

 2006年10月、当時の安倍晋三首相が中国を訪問し、「戦略的互恵関係」を確認した。これは、小泉政権時のぎくしゃくした関係を改善しようというのが目的で、背景には中国進出を加速させ、貿易を促進したい財界と、日本から最新の環境や省エネ技術を獲得したい中国政府の思惑が存在していた。

 2006年12月には日本の財界も「日中省エネルギー・環境ビジネス推進協議会」を結成し、日本政府からの公的支援を強く要請している。つまり日本企業の対中投資をバックアップすべく日本政府も環境ODAを実現せよ、というのである。注目すべきは、2007年に発表された「環境保護協力の一層の強化に関する共同声明」の文面に、「協力」という単語が多いことである。

 実はこれはODAのキーワードである「援助」「支援」に代わる新しい言葉で、その意味は「援助」となにも変わらない。日本国民の反発を考慮してこうした文言を使っているだけなのである。

 そして民主党政権に代わった後の昨年11月、「日中省エネ環境基金」の設立提案が中国側からあった。中国は中国で、新華社系列の時事週刊誌『瞭望』(2009年6月8日号)のなかで、中国人の日本専門家がはっきりと「基金は日本の過去のODAに代わる新機構である」と断言している。

 日中省エネ環境基金について、新聞は突っ込んだ背景を説明していないため、読者にはこれがODA再開のための受け皿であるという事実が全く伝わらない。この団体の肝は、中国政府が日本と同じように出資を提案していることだ。それは日本だけが一方的に援助するのではなく、中国もちゃんとお金を出していますというポーズなのだ。「偽装ODA」を側面支援しているのが、「青年交流」である。「戦略的互恵関係」を確認した前述の2006年の安倍訪中を機に、外務省を中心にして始まった「日中21世紀交流」(後に「21世紀東アジア青年大交流計画」に拡充)。これが現実には経済援助再開のための公費を使ったODAのための“地ならし”なのである。

 中身は、日中高校生の相互短期訪問、さらに中国の高校生の日本へのホームステイというものである。いまさら、こんなものを公費でやったところで、効果は期待できないと思われるのだが、背景を見るとある事実が存在する。

 それは、こうした交流事業の担当機関が外務省官僚の天下り団体として有名な「国際交流基金」で、ここに「日中交流センター」なる組織が誕生していることだ。そして、2009年7月に所長に就任したのが阿南惟茂前中国大使である。

 つまり「日中21世紀交流」は現実には外務省のチャイナ・スクールの重鎮が仕切るというわけなのだ。彼は長年、日中関係を仕切ってきた経世会の橋本龍太郎元首相らから寵愛され、その一方で、中国に対する迎合的姿勢が世論の厳しい反発をうけていた人物でもある。2006年に中国大使を退任し外務省を離れ、その後、新日鉄に天下り、顧問の椅子についていた。

 そして彼は昨年11月、もうひとつ外務省の有力な機関のメンバーに復帰している。それが日本と中国の両国政府の諮問機関「新日中友好21世紀委員会」である。昨年11月この委員会の委員が刷新され、新メンバーが選出された。日本側の座長は西室泰三・東京証券取引所グループ取締役会長だが、事実上のトップは阿南氏であることは言うまでもない。

 注目されるのは中国側の顔ぶれだ。座長が唐家璇元外交部長(外相)なのだ。彼は田中眞紀子元外相に首相の靖國参拝を止めろと「厳命」したことが知られる中国外交部の対日プロパーで、すでに外交部長と国務委員を正式に引退した人物である。その彼が再び、中国の対日外交に影響をもつ諮問機関のトップに就任しているのである。

 唐と阿南。ふたりは小泉元首相のODA中断に強く反対した経歴を持つ。経済援助の再開と時を同じくして、過去ODAに直接関与していた人物も復活してくるという構図なのである。

 今後は中立色を装う21世紀委員会で、「中国の環境対策は日本にとっても有意義であり、アジア全体のためにも両国は協調して対応すべき」との提言が出されるはずだ。さらにこの動きを財界とマスコミがバックアップして、世論が形成されるだろう。もう流れは作られているのである。だがこれで問題は終わらない。

国際機関を通じて日本から隠れ援助

 前述の通り、世界銀行、ADBを通じた経済援助は続いており、その額は各4216億円と4800億円。ODAとは別の迂回ルートになっている。「偽装ODA」と合わせて経済援助は9100億円也!

 また、ADBは一貫して日本の財務省出身者が総裁に就任し、“財務省の植民地”とまで形容される機関である。日本政府の意向は反映し易いはずだが、中国向け融資は増える一方だ。

 ADBの現総裁は黒田東彦氏で、当然財務省出身だが、彼の中国観は「中国は覇権国ではない」というもので、さらに、アジア共同通貨構想にも前向きな東アジア共同体論者として内外で知られる。

 ADBの中国向け融資で問題なのは、政治的にデリケートな少数民族地域のプロジェクトも多く含むことで、チベットと都市部をつなぐ内陸道路建設への融資などはダライ・ラマのチベット亡命政権から強い抗議があったにもかかわらず、実行されている。この件でADBに取材したところ、「ADBは国際援助団体であり、そうした政治的なことは関係ない」とそっけない返事が返ってきたばかりである。

 現在ADBが最重要視している開発プロジェクトに中国の新疆ウイグル自治区と中央アジアを結ぶ新シルクロード開発構想がある。ADBが主導権をとって関係各国と協調して行なう予定だが、構想実現には次のような背景があると開発関係者は語る。「ADBは黒田総裁の下に副総裁が4人いる。最近はこのポストのうち1つに中国人が就任している。で、彼が受け持っているのが『中央アジア地域』で、事実上、中国人がこの地域開発のイニシアティヴを握っている。仮に、この交通網が整備された場合、一番利益を得るのは中国。周辺の国に中国製品が氾濫するのは眼に見えている。そればかりか中央アジアは資源の宝庫。中国の浸透に拍車がかかるのは言うまでもない」(前出の関係者)。

 新シルクロード開発は黒田総裁と中国人副総裁とのコンビのもと、これから数十年計画でさらに強力に推進される予定だ。ODAの迂回機関であるADBは日中連合体制なのである。

 世界銀行の支援も減ってはいない。ADBの首脳が日中連合なら、こちらは米中のG2体制である。総裁はロバート・ゼーリック元国務副長官で、中国融和派の代表的な政治家だ。

 ゼーリックの下で、事実上のナンバー2ポスト、チーフエコノミストを務めるのが中国の経済学者林毅夫で、彼は胡錦濤や温家宝の経済ブレーンとして知られている人物だ。彼らを通じて米中間で経済問題が情報交換されている事実は無視できない。

 中国は先ごろ世界銀行への出資金を増やしている。投票権は出資比率に比例しているので、これにより中国の投票割合は4・42%となり、米国、日本に次いで第3位になる。そうなれば、自国の支援ばかりか、中国と親しい、或いは影響下にある国への支援を世界銀行のマネーを使って行なうことができるようになる。

 こうしてみればODAに代表された日本の対中援助が終わってはいないことに気付く。「偽装ODA」は継続中なのだ。だがここで極めて単純な疑問に行き着く。それは、日本はいまや経済大国となった中国に援助を続けるほど豊かな国なのか、ということだ。失われた10年の経済空白の結果、派遣社員は激増し、レイオフは当たり前となり、給料は下がる一方だ。経済のデフレに歯止めがかからない。しかも若者たちは将来の年金に不安を持っているのが日本なのだ。

 経済的理由だけではない。中国は初の空母建造に着手し、核を保有、大陸間弾道弾にも転用しえる人工衛星ロケットまで打ち上げる。防衛省の『防衛白書』も近年、中国の脅威にはっきりと警戒感を示している。こうした軍事脅威を与える国に援助する必要があるのだろうか。不安にあえぐ国民の血税がこれからも中国に向かう。日本はいまや経済大国・中国の朝貢国に成り下がってしまったのである。

原●落としたい。

|

« 【民主党】当たり屋三宅始末記 | トップページ | 【民主党】いよいよ「お縄」? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/109411/48713794

この記事へのトラックバック一覧です: 【支那】爆食、果てなく…:

« 【民主党】当たり屋三宅始末記 | トップページ | 【民主党】いよいよ「お縄」? »