【民主党】詐欺師の死に体

“詐欺師”鳩山またパフォーマンス、徳之島住民は怒り爆発
（2010年5月7日(金)17時0分配信　夕刊フジ）

　鳩山政権が米軍普天間飛行場（沖縄県）移設問題の５月末決着に行き詰まり、沈没寸前の危機に直面している。県外移設を断念し沖縄県民の強い怒りを買ったうえ、鹿児島県・徳之島へのヘリコプター部隊の一部移設を断念せざるを得なくなったのだ。「最低でも県外」と豪語してきた首相はアリバイ作りのために７日午後、徳之島の３町長と会談して移転要請のパフォーマンスを行うが、首相のメンツに振り回される徳之島住民らも怒りを爆発させている。

　徳之島へのヘリコプター部隊の一部移設を断念せざるを得なくなったのは、普天間のヘリ部隊と沖縄駐留の地上部隊の一体的な運用という軍事的な側面を当初からほとんど考慮しないまま徳之島案に飛びついたためだ。

　実際、普天間移設の本質はヘリ部隊と滑走路、隊員の兵舎など生活基盤、整備場など付帯施設をどこに確保するかにかかっている。いわば大規模な引っ越しであり、一時的に使用する短期合宿のような訓練移転とは全く異なる。しかし首相は４日に沖縄県を訪れた際、部隊移設か訓練移転かをめぐって「いまここで結論が出ている話ではない」と明らかにしており、普天間問題の中核を十分に理解、把握しないまま徳之島案に飛び付いた実態が浮かび上がった。

　それだけに徳之島を地盤とする自民党の徳田毅衆院議員は「徳之島移転案には明確に反対」としたうえで、こう強調する。

　「沖縄の基地負担を軽減したいという思いは（首相と）同じ。だが、そもそも安保とは、日米同盟とは、なぜ沖縄や徳之島かという議論がないまま、首相のメンツのために、なぜ徳之島に押しつけられないといけないのか。なにより徳之島の民意は反対集会ではっきりしている」

　徳田氏は７日午後に徳之島３町長とともに、首相官邸を訪問。島民約２万人の移設反対署名を添えて「ＮＯ」を突きつけるが、「はっきりと反対の意思表明をすることが目的だ。徳之島には１％の可能性もない。何度、お願いされても、何度でも断る」と断言。

　さらに、首相が徳之島案を水面下で模索しながら、表向きは「何も決まっていない」とうそぶき、先月２８日に父親の徳田虎雄元衆院議員と面会した際、初めて沖縄の米ヘリコプター部隊を最大１０００人規模で移すか、訓練の一部を移転する機能分散案を打診したことにも、「サギにあったようなもんだ。被害者だ」と怒りを爆発させた。

　また、昨年の総選挙で「奄美群島振興開発事業予算は削らない」と豪語してきた民主党が、実際には２０１０年度予算で３割減、約８３億円も減少させた「離島切り捨て」の動きにも「公約違反」と批判の矛先を向けた。

　鳩山政権のこれまでの対応について、政治評論家の浅川博忠氏は「首相の言葉の軽さ。それに加え、関係閣僚を含め政府関係者が外部に漏らしてはいけないことをペラペラしゃべってしまったのが混乱の要因だ。与党ボケしている」と批判し、こう付け加えた。

　「『次は参院選後まで』とか、小刻みに決着期限を延ばせば今回の二の舞いになる」

　とはいえ、今後はほぼ全面的に、代替施設受け入れを迫られる沖縄県で反発の声が拡大するのは間違いないだけに、５月末に向け鳩山政権沈没の可能性はますます高まったと言えそうだ。