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2010年1月30日 (土)

【民主党】突破口はメールか

逮捕された石川容疑者は「メール魔」だった

小沢が恐れるケータイ
(AERA 2010年2月1日号掲載) 2010年1月28日(木)配信

捜査のカギを握るのは、この36歳、独身の「小沢氏の元秘書」の供述だ。
「秘書たちは小沢氏の指示がなければ何もできない」。本当なら、幹事長の危機だ。

「いま小沢氏は深く悔やんでいるだろう。『彼』がいまも秘書として自分の側にいたら、事件が自分の身に及ぶことはなかっただろうと」

 小沢一郎民主党幹事長の問題を長年追及し、『小沢一郎 虚飾の支配者』などの著書があるジャーナリスト松田賢弥氏は言う。

「彼」とは1980年から23年にわたり小沢氏を支えた元秘書の高橋嘉信氏(56)。秘書たちを統率し、小沢氏にとってなくてはならない存在といわれた実力秘書だった。ところが2003年、突如として小沢氏のもとを去った。

「高橋氏だったら小沢氏の盾となり、小沢氏本人に累が及ばないようにしていただろう。だが彼が去ってから、小沢氏は直接、秘書らの報告を受けなければならなくなったはずだ」

 小沢氏の資金管理団体「陸山会」が04年10月に買い入れた土地絡みで、ウソの記載がなされたとされる今回の政治資金規正法違反事件。04年10月といえば、高橋氏が小沢氏と袂を分かった翌年のことである。

秘書に毛の生えた存在

 筆者は高橋氏と話したが、

「いまの事件は知らない」

 などと語るのみだった。

 小沢事務所をよく知る関係者はこう語る。

「高橋さんがいなくなってから、小沢さんはますます、秘書を信用しなくなった。秘書の持ち場を2年ほどの単位で変えるのも、カネをちょろまかすんじゃないかと疑っているから。小沢さんは政治資金にすごくうるさい人で、カネの流れは厳しくチェックする。小沢事務所に入るカネの額はハンパじゃない。小沢さんが報告を受けてないなんてあり得ないこと」

 政権交代を成し遂げた民主党の最大貢献者として持ち上げられ、党内で「怖いものなし」の存在になった「小沢軍団」。だが内実は、小沢氏を守れる強力な人材がおらず“小粒化”が進んでいたという。

 政治資金収支報告書にウソの記載をしたとして1月15日に東京地検特捜部に逮捕された石川知裕衆院議員(36)は小粒化の象徴ともいえる。

「この世界はヤクザの世界と同じ。ボスの言うことは絶対。ボスが黒と言えば黒。白でも黒にしなければならない。石川氏も普段からそんなことを言っていた。この世界にいる以上、たたけばホコリの出る体。彼とすれば『来るものが来た』だろう。結婚を約束した相手がいる彼には気の毒だが……」(関係者)

 早大在学中に小沢氏のもとに「書生」として入り、私設秘書から衆院議員に、しかも昨夏の総選挙では自民党大物の中川昭一氏(故人)を大差で破った石川氏。絵に描いたような宿願を果たしたように見える彼だが、バッジをつけていても実際は「小沢氏の前では直立不動、小沢氏の秘書に毛の生えたような存在」だった。

 こんどの事件絡みでいえば、彼の存在はどことなく映画「マルサの女2」(1988年)に出てくる「チビ政」を連想させる。新興宗教団体の実質的トップが、巨額の怪しいカネを宗教法人を隠れ蓑に脱税している。その尖兵に使われるのが末端暴力団員の「チビ政」だ。

 もっとも、チビ政は失敗の責任を取らされ「トカゲの尻尾切り」で鉄砲玉に殺されるが、石川氏は自殺を懸念され、地検に逮捕されたのだが……。

 そのほか逮捕された大久保隆規容疑者(48)は小沢氏の公設第1秘書、池田光智容疑者(32)は石川氏の後輩で昨年秋まで小沢氏の私設秘書だった。

安心しきって無防備

「石川氏は携帯電話を隠す間もなく押収されている。彼は携帯メールが大好きで、暇さえあればメールを打っていた。携帯には事件絡みでもかなりのデータが含まれているはず。彼は自分の逮捕やガサ入れはないと安心しきっていて、まったく無防備だったようだ」

 そう話すのは札幌市内で不動産会社を経営する金沢敬氏(41)。08年9月から石川氏の私設秘書を務めたが、09年7月に決別、石川氏の敵に転じた人物だ。

 08年5月、知人の内装工事業者を通じて石川氏の秘書と知り合い、石川氏を紹介されたのが関係の始まりという。

 小沢氏への賛辞は欠かさなかった石川氏だが、最大で秘書9人を抱え、事務所の電気代にも事欠くほど資金に困っていた。だから、金沢氏は「秘書」の肩書はもらったものの、実態はスポンサーで石川氏の飲食の面倒をみていたという。その見返りが今年7月の参院選候補として民主党公認を得ることだった。

 金沢氏は昨年2月には小沢氏主宰の「小沢一郎政治塾」に入塾。翌3月に起きた西松建設と陸山会の違法献金事件で東京地検特捜部の家宅捜索が行われた際、石川氏の連絡を受けて急遽上京、資料隠しに協力したという(石川氏側は否定)。

朝風呂の後はうちわ
 石川氏は一方で、気になることも金沢氏に漏らしていた。

「僕は弟子だから、いつか小沢先生も振り向いてくれると思うんです」

 ということは、いまは振り向いてくれないということか、という疑問が膨らむ中、「破綻」は起きた。昨年7月の昼、金沢氏の公認を頼みに行った石川氏に、小沢氏は「何でお前の事務所の事情で候補者を出すんだ。バカ言うな」と一喝。その夜、石川氏は札幌に飛んできて「自分は小沢さんに切られた人間です。助けてください」と涙ぐみながら金沢氏に土下座した。

「選挙の候補者を決めるとき、小沢さんは必ず面接すると後で聞いた。でも私には一度も面接がなかった。周囲に聞いたら、石川氏は小沢さんにとっくに見切られた人間で、彼の持ち込む話は小沢さんに相手にされないという。石川氏は05年の衆院選に小沢氏の許可を得ず出たため不興を買った。彼は小沢邸で何時間も土下座して泣いて謝ったそうだ」

 逮捕された石川氏は、東京地検特捜部から、中堅ゼネコン水谷建設から5千万円を受け取った容疑でも追及を受けている。

 関係者によると、石川氏は同じ時期、水谷建設はもちろん大手ゼネコンなど数社からも、「上からの命令」でヤミ献金を受け取りにいったとの話も出ているという。

 小沢氏の秘書や書生はいつも十数人いるという。早朝から小沢邸の草むしり、庭掃除、買い物。健康に気をつける小沢氏がクーラーを嫌うため、朝風呂から出た小沢氏をうちわで扇ぐこともするという。小鳥にエサをやるのも大事な仕事だ。そんな昔ながらの書生暮らしに原則2年間耐え抜いてこそ、ようやく「秘書」の肩書がもらえる。認められれば小沢氏肝入りで政治家への道が開ける。

呼び出してビンタ

「小沢氏の秘書になりたいという依頼が絶えず、書生としてやらせてみることで、最も重要な忠誠度をふるいにかける」(小沢事務所をよく知る関係者)

 国会議員の事務所でもとりわけ厳しいといわれるのが小沢事務所だ。「徒弟制度」「まるで軍隊のよう」とも評される。

 関係者によると、礼儀作法にはとりわけ厳しく、支持者などに礼儀を欠く振る舞いを見せた若い秘書や書生が、(逮捕された)軍曹格の大久保秘書に目立たない場所に呼び出され、

「いまのは何だ。お前がそういう態度だと小沢が恥をかくんだーーッ」

 と大久保氏がビンタを張る姿が目撃されている。

 小沢氏自身は携帯電話を持たない。だから、代わりに携帯を持ち必要に応じて小沢氏に取り次ぐのも同行秘書の役目だ。用途に応じていくつもの携帯が使われることもあるという。

 選挙となれば、秘書が全国の重点候補のところに飛び、小沢氏の名代として一から「小沢流のドブ板選挙」を叩き込む。いかにも体育会流に、候補者を怒鳴りあげることもある。

「小沢氏の選挙は政治の師匠だった田中角栄元首相譲り。田中氏は選挙戦最終盤になると候補者本人のところに秘書にカネを持って行かせた。秘書は深夜、誰もいないところで候補者に『これは田中先生からです』と渡す。疲れ切った候補者も感激し、もう一踏ん張りとなる。そうした選挙の機微を小沢氏も心得ているだろう」(花岡信昭拓殖大大学院教授)

 選挙に強い「生きた伝説」のように語られる一方、「使える価値がなくなったり、煙たくなれば、側近でもさっさと見切りを付ける」とも評される小沢氏。その「超」の付く合理主義ぶりと冷徹さが、結果として側近の小粒化と自身最大の危機を招いたと言えなくもない。

編集部 小北清人

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