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西松建設裏金事件　政界バラまきリスト
（2009年1月19日(月)10時0分配信　日刊ゲンダイ）

　国内外で不正にカキ集めた２０億円もの裏金は、政界工作資金に化けていた――。

　準大手ゼネコン「西松建設」の巨額裏金事件の捜査に永田町が戦々恐々だ。東京地検特捜部は、同社ＯＢが設立した２つの政治団体に注目。両団体を隠れみのに裏金の一部が政界に渡ったとみて、資金の全容解明に全力を挙げている。

●永田町は戦々恐々

　問題の団体は「新政治問題研究会」（９５年設立）と「未来産業研究会」（９９年設立）。０６年末の解散まで、献金やパーティー券購入を通じて計約４億８０００万円を政界にバラまいてきた。

　０４～０６年に両団体から資金提供を受けた主な政治家は別表の通り。運輸相経験者が５人と目立つ。

　国会に程近い同じビルの一室に置かれ、代表者２人はともに西松建設の土木営業部営業管理部長経験者。退職と同時に政治団体を立ち上げ、子会社「松栄不動産」に再就職という経歴まで一緒で、自宅はそろって特捜部の“ガサ入れ”をくらった。

　両団体の資金捻出には、こんなカラクリが隠されていた。

「西松建設では、ゼネコン汚職で当時の副社長が逮捕されて以降、課長級以上の成績優秀者が両団体の会員に“抜擢”され、会費を納めてきた。中には家族まで会員にする社員もいて、会費分はボーナス時に上乗せする形で口止め工作も行われた。献金先の差配は、逮捕された元副社長の藤巻恵次（６８）ら首脳陣が取りまとめ、総務部を通じてＯＢ２人に伝えていました」（西松建設関係者）

　他人名義での献金や企業献金を禁じた政治資金規正法に抵触する脱法行為。こうした偽装工作を通じて、西松の裏金が政界に渡ったと特捜部は狙いを付けているのだ。

　脱法献金が資金管理団体に流れた額が特に多いのは▼小沢一郎（計２１００万円＝０３～０６年）▼二階派（計８３８万円＝０４～０６年）▼森喜朗（計５００万円＝０２～０５年）……。

　ダミー団体設立時には加藤紘一や自見庄三郎らにも資金を提供。尾身幸次のように９６～０５年の１０年間にもわたって、計２０５０万円を受け取った“古い付き合い”の政治家もいる。

「西松建設は幹部社員の名前を勝手に使った“偽装個人献金”まで行っていた。この手口で亀井静香の資金管理団体に計１３００万円を送っていたのですから、脱法行為は底なしです」

　はたして、特捜部の捜査は政界ルートに駆け上がるのか。

【資金提供を受けた主な政治家（０４～０６年）】

≪自民党≫

◆二階派／８３８万円

◆藤野公孝／４００万円

◆尾身幸次／４００万円

◆藤井孝男／４００万円

◆森喜朗／３００万円

◆山口俊一／２００万円

◆加納時男／２００万円

◆中島真人／２００万円

◆川崎二郎／１４０万円

◆林幹雄／１００万円

◆山本公一／１００万円

◆古賀誠／１６万円

◆渡辺具能／１４万円

≪民主党≫

◆小沢一郎／２４００万円

◆山岡賢次／２００万円

≪改革クラブ≫

◆渡辺秀央／２００万円

≪自治体首長≫

◆広瀬勝貞大分県知事／１００万円

◆石川嘉延静岡県知事／１００万円

◆阪口善雄吹田市長／１００万円

◆矢田立郎神戸市長／３０万円

◆村井仁長野県知事／２０万円

（提供額は政党支部分も含む）

（日刊ゲンダイ2009年1月16日掲載）

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