【北京五輪】テロ予告
ビデオで競技場爆破映像…五輪へ宣戦3組織がテロ予告
(2008年8月8日(金)17時27分配信 夕刊フジ)
中国の連続バス爆破事件で犯行声明を出したウイグル独立派組織が「中国に宣戦布告した」と競技場の爆破を示唆する新たなテロ予告を出していたことが明らかになった。当局が最大の脅威とみる組織を含め別の2つの独立派組織もテロ警告を出していたほか、大量の爆薬を所持したチベット過激派も行方不明のままだ。どの組織が本当の脅威か読めない混沌のなか、五輪本番が幕を開ける。
新たな声明が明らかになったのは「トルキスタン・イスラム党」(TIP)を名乗る組織。テロ組織の情報収集・分析を行っている民間の米インテルセンターによると、TIPは1日付でウイグル語によるビデオ声明を出した。
ビデオでは、TIP宗教教育部門のアブドラ・マンスール氏が「われわれは中国に宣戦布告した」と宣言し、「中国による東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)の占領に反対する。中国が国際社会を欺いて五輪を主催することに反対する」と表明。「中国に向けた砲火でムスリム同胞が傷つくのを見たくない」とイスラム教徒に訪中を避けるよう呼びかけた。
ビデオでは、さらに五輪マークが燃やされたり、競技場で爆発が起きる様子を映し出し、競技場の爆破テロを示唆した。
7月21日に起きた連続バス爆破では、TIPを名乗る組織が犯行声明を出し、「五輪の最重要地点を標的にする」「これまでにない戦術で中国の中心都市を攻撃する」と警告していた。
中国が最大の脅威とみる「東トルキスタン・イスラム運動」(ETIM)についても当局は6月下旬に2度にわたって、「2008年を服喪の年、テロの年にする」と宣告をしていたことを明らかにしている。
このほか、人民日報が別の独立派グループ「東トルキスタン解放組織」(ETLO)が「五輪は最後の奇襲のチャンス」とテロを呼びかけていた事実を報じた。ETIMとETLOは共闘関係にあるとされ、中国公安省は両グループをテロ組織と認定していた。
専門家によると、ETIMは1990年代に自治区内で頻繁に爆破テロを敢行していたが、米同時テロを境に中国の徹底攻勢に遭い、03年に最高指導者が射殺されたこともあって組織が四散。相次ぎ声明をだしたTIPは分派の1つとみられ、掃討による四散が組織の実態をより読みにくくしている。
公安当局はTIPの最初の声明に対して、「こけおどしでバス爆破と関連はない」とみていたが、その後、自治区カシュガルの警官隊32人が死傷されるという事態が発生。この際使われた手榴弾がETIM摘発で押収された武器と酷似していたうえ、「聖戦」をアピールした印刷物や「聖戦の遂行は自身の生命や母親の平穏な生活より重要」と書いた遺書が見つかっており、警官隊襲撃もウイグル独立派との関係が濃厚だ。
ウイグル独立派だけでなく、当局は爆薬200キロを所持したチベット過激派の4人組が四川省の成都で爆弾テロを計画しているとの情報をつかんでおり、懸命に行方を追っている。
さまざまな組織がテロを画策するなか、当局は防戦を強いられたまま、五輪開幕当夜を迎える最悪の事態に追い込まれている。
とんだ「平和の祭典」だ。(冷笑)
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