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2008年6月 4日 (水)

続・禍根(下)

ロシア人バイヤーの歯はオール金歯
【富山ロシア×パキスタン町】

 頭は深く陥没し、体には刃物で数回にわたって刺された跡が残っていたという。富山県射水市の富山新港。昨年3月、毛布と電気コードでぐるぐる巻きにされたロシア国籍の28歳男性の遺体が、この港の岸壁に打ち上げられた。犯人はまだ見つかっていない。

「恐いかって? あれはロシア人同士の争いだからな……。いつものことだよ」

 地元港湾関係者の口は重い。

 ロシア向けの中古車輸出が好調な射水市には、〝異国〟が誕生している。国道8号線周辺にはパキスタン人の中古車商が約250店も軒を並べる。「車3台までは手荷物扱い」という外為法の規定を巧みに利用して買い付けにくるロシアの個人商を相手に、語学堪能なパキスタン商人が15年ほど前から次々に店を構えた。彼らの多くは日本人女性と結婚し、住みついている。

 国道8号線を歩くと、ロシア語や英語の看板とともに、小さなコンテナの店舗、ナンバープレートを外した中古車数百台を置いた店が左右に現われる。モスクもある。歩道は、自転車に乗って買い付けをするロシア商人たちが何十人も行き交っていた。

「私たちは悪いことをしているわけではありません」

 ある中古車店を取材すると、店主のパキスタン人が流ちょうな日本語で応じた。

「日本人と同じように真面目に商売をして、税金を払って生活しています」

 しかし、地域住民からは、「コンテナの店舗が都市計画法に違反、ナンバープレートのない車を公道で走らせるのは道路交通法違反だ」と、県に異議申し立てする運動もあり、理解を得られていない。

 さらにこの〝パキスタン中古車店街〟の出現で、のどかだった田園地帯は強盗や前述のような殺人事件が頻発する物騒な土地へと変貌した。

「彼らはみな数百万円単位の現金取引をしています。最近は、それを狙ってロシア人強盗団が暗躍しており、2月にも中古車商がロシア人と思われる男に突き倒され、現金130万円を強奪されました」(地元紙記者)

 また、地元市議のひとりは、

「ロシア人バイヤー自体にマフィアが絡んでいるという情報もあります。ウラジオストクを現地視察した時、貿易関係者から『中古車市場だけはヤバイ。首を突っ込むな』と忠告されました。ロシア人の平均月収は5万円ほどですが、バイヤーたちはその100倍を稼ぐといわれている」

 と語る。記者が訪ねた中古車店では、ドル札の束が飛び交い、丸太のような腕をしたロシア人バイヤーがにっと笑うと総金歯だった。夜の繁華街では、こんな話もある。

「中古車商のロシア人はほとんどチンピラでした。飲み逃げ、ケンカ、窃盗は日常茶飯事で、レイプまでする。数か月前にロシア人の男を全員出入り禁止にしました」(外国人向けバー店主)

 国道8号線沿いでは、5年間で外国人絡みで少なくとも8件の強盗事件が発生したが、解決したのは3件。ここでも〝治外法権化〟は深刻さを増している。住民の不安は募る一方だ。

裏社会のルールを守りヤクザとも共生
【池袋チャイナタウン】

 これまで東京では新宿歌舞伎町の中国人アングラ社会が有名だったが、石原慎太郎都知事の浄化作戦で下火となり、代わって池袋がチャイナタウンとして発展しつつある。

 池袋駅西口から徒歩約5分のカラオケ店A。普通の日本人も出入りするその店の一室で、若い中国人男女20人ほどが入り乱れ、夜な夜な派手に覚醒剤パーティを開くという。

「女とエッチOK、クスリOK、何でもOKね。中国人の経営するカラオケだと警察も警戒する。でも、ここ普通の店。店員ユルいから大好きよ」

 中国東北地方出身のブローカーDはそう語る。

 横浜のような老舗中華街に対し、池袋周辺は1980年代以降に移民してきた新華僑たちが、中華料理店、食材店や風俗店を次々と構えた。

 パーティの仕切り役をするというDの子分Mは35歳で、池袋を中心に中国エステやクラブを数軒任されており、エステ嬢や残留孤児3世の若い男たちを集めて、この種の〝慰労会〟を月に1度開いているという。

 Mは、ストロー2本を差し込んだ500mlのペットボトルを見せた。中国人たちが好む覚醒剤の吸引方法だ。ボトルにはジュースなどの飲料が3分の1程度残っており、氷毒と呼ばれる覚醒剤の煙をボトルに通してから吸引する。Mの仕切るパーティの常連だという25歳の金髪中国人エステ嬢がペラペラの日本語で解説した。

「こうすると、ジュースのフレーバーが付いてシャブの匂いがソフトになるの」

 中国人たちは、尾崎豊や浜崎あゆみなど日本の歌謡曲を好んで歌い、ほとんど煙草でも差し出すような自然な態度で、「はい、お疲れ様」とシャブをすすめるという。

 注文したドリンクを店員が運んできてもお構いなし。

「ビビる必要なんかないね。ストローのついたペットボトルのどこが違法なんだ」

 Mはそううそぶく。覚醒剤は、中国人グループにとって仲間意識を強固にするための道具だ。吸引を拒否したり、〝ビビる〟態度を見せれば、仲間たちからリンチを受けることもあるという。

 このような集まりは、もちろん違法である。しかしDは、

「中国人はルールを守るからヤクザとはもめない。シャブはまんじゅうのアンの代わりに(クスリの入った)袋を入れて密輸するが、きちんと日本のヤクザを間に通して売買する。絶対バレないよ」

 とアッケラカンと語る。

 近年、池袋に集まる中国人女性は、主に日本語学校や大学の留学生、卒業生。彼女らの出自は、「中産階級以上の富裕層」が多いが、悪い仲間に誘われ、覚醒剤に嵌ってしまえば、行き着く先は同じである。留学終了後、頭金80万円+毎月3万円でブローカーから偽装結婚を手配してもらい、事務職とキャバクラで稼ぐ24歳女性が言った。

「クスリをやって体を売るようになると、もう二度と抜けられない。1時間6000円でセックスするけど、1晩3人としても手元に残るのはせいぜい1万円。そのお金もクスリや買い物に使っちゃう。また借りる。もうだめよ」

 もちろん、ここに挙げた一部の例をもって在日外国人全体に対して危機感を持つことがあってはならない。彼らが犯罪に手を染めるきっかけは、劣悪な労働条件など日本社会への反発からきている面もある。日本がこれからも外国人たちと共生していかねばならない以上、しっかりした受け入れ制度の確立が望まれる。

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