福田ようやく出馬辞退…3つ挙げるも、その真相は(夕刊フジ)
ポスト小泉レースで、周囲をやきもきさせていた福田康夫元官房長官(70)が21日夜、ようやく総裁選に出馬しないことを明らかにした。その理由について(1)年齢(2)支持率低下(3)靖国問題などで国論を二分したくない-などと説明したが、永田町では「本当の理由は別にある」(自民党長老)との見方がもっぱら。果たして、その真相は-。
--総裁選に出ないことを決意したということだが?
「決意? 前から。そんなの最初っからよ」
--確認だが、出馬されないということか?
「されないというか、それを確認しただけだよね。僕は出馬するということを言いましたか? 言いました?」
これは21日夜の福田氏と記者団のやりとりだ。総裁候補に名前が挙がってから発言を控えていた福田氏にしてはやけに冗舌だったが、相変わらず人をくったような態度は変わらないまま。
最近、永田町では福田氏不出馬の見方が強まっていたが、多くの関係者が「福田氏は、『自分は1度も出馬するといったことはない』と言うに決まっている。それが福田氏」とささやいていただけに、まさに予想通りの反応だったというわけだ。
そんな福田氏の不出馬の理由だが、「自身で説明したのも本当だろうが、1番の理由は福田氏という人物に心酔し、何が何でも福田氏に首相になってほしいと思う議員がいなかったためだろう」というのは自民党中堅議員の1人。
「福田さんっていうのはすべてをさらけ出して話す仲間の少ない人なんだよ。だから、何が何でも福田さんを推そうという人が出てこない。福田氏の応援隊長的存在だった衛藤(征士郎)さんだって河野グループから森派にきたが、頼みの森喜朗会長の影響力が低下するなか、もう一度閣僚をやるには次の総裁に望みをつなげるしかないと思ったに違いない。加えて森氏が福田さんに期待していた面もあるから、その意向を受けて福田擁立に動いたのではないか」
元防衛庁長官の衛藤氏以外では、山崎拓元副総裁、加藤紘一元幹事長らが、えらく福田氏の出馬にご執心だった。だが、これも彼らなりの打算からきたもの。ポスト小泉レースのトップをいく安倍晋三官房長官が総裁になれば、世代交代の波にのまれて日のあたるポストに就く可能性も少なくなり、靖国問題を中心とする対中外交などでもご注進ができなくなるためだ。
このほか、不出馬の理由としては「家族の反対」や「資金不足」なども指摘されている。だが、「このタイミングで不出馬宣言にいたった決定的な理由は、北朝鮮によるミサイル発射だ」(永田町有力筋)との声も。
この事件の際、外遊中の小泉首相にかわって政府の顔となった安倍氏は各種世論調査で支持率をあげた。それだけに、前出の有力筋は「福田氏に引導を渡したのは、皮肉にも安倍氏に批判的な北朝鮮で、北にとっても思わぬ誤算となったようだ」と言うのだが。
[産経新聞社:2006年07月22日 17時25分]
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